桜餅

きもの紋入れまつもとです

 デパートの呉服売場で仕事の用を済ませたあと、デパ地下をウロウロするのを楽しみにしております。この時期、和菓子処では「桜餅」ですね。

関東風 関西風

 桜に因んだ和菓子で、雛菓子のひとつ。桜の葉で餅菓子を包んだもの。

 実は、2種類あることを知りませんでした。関東風の「長命寺」しか食べた事が無く、初めて、関西風の「道明寺」を食べた時には驚きました。

 どちらにもお寺の名前が付いていますね。当時、悔しかったので少し調べましたし、食べ比べもしましたよ。

 ●関東風の「長命寺」 

 小麦粉などの生地を焼いた皮で餡を巻いた、クレープ状のお餅。1717年、隅田川沿いにある長命寺の門番、山本新六が、桜の落ち葉掃除に悩まされ、ふと思いついて、桜の葉を塩漬けにして、薄い皮に餡を巻いて売り出したところ、江戸で大ヒット。関東ではこちらの桜餅が主流。

長命寺

 ●関西風の「道明寺」

 大阪の道明寺で保存食として作られた、もち米を蒸して乾燥させ、道明寺粉を使った、まんじゅう状のお餅。道明寺粉のつぶつぶとした食感が特徴的です。

道明寺

 どちらも桜の葉の香りと塩味が良いですね。

 あの香りは塩漬けにすることで発生するクマリンという香り成分で抗菌作用も生まれるそうです。

 美味しい桜餅を頂けるのも、先人の知恵のお蔭ですね。

前の記事

新世界より 

次の記事

エグモント序曲