石川県の家紋

きもの紋入れまつもとです

私は高校卒業後、長野県飯田市の蔦屋さんという紋屋で社長宅住み込みで3年間お世話になりました。

高校3年生の時、挨拶にうかがったのですが、その時師匠は「何も知らない状態から仕込みたいので家紋の名前一つ覚えずに来るように。」と言われました。

丸と線

それもそのはずです。家紋の名前を覚えるなんて、そんな次元ではない。初めて手にする筆とコンパスのような分廻し。難しかったですね。

その土地に多い家紋ってあるのです

 修行時代によく見かけた家紋でも、金沢に帰ってきて30数年、数回しか紋入れしたことがないものもあります。

 「笹に雀」や「切り竹笹に笠」など。お手持ちの着物にある、前に入れた紋屋さんの仕事のコピーを紋見本として預かることが多かったので特殊紋となり、修行先の紋の台帳には物凄い種類があったのを覚えています。とても好きな家紋なので、機会があればまた是非、紋入れさせていただきたいですね。

 あとは稲の家紋もこちらでは少ないかな。とは言っても20種類は台帳に載せてあるので、請けているには違いないのですが。

 こんな事書いては叱られますが、飽きる位の家紋ベスト3。 

 「蔦」 「木瓜」 「片喰」

様々な時代背景があるのでしょうけど、私はそれが専門ではないので詳しくは語れませんが。

 「蔦」は能登地方に多く、「木瓜」は加賀地方に多いようです。越前朝倉氏の定紋で、一向宗門徒の多くが木瓜を使用したのが理由かもしれません。

「都道府県別姓氏家紋大図鑑」による、石川県家紋ベスト10です。

 1、蔦  2、木瓜  3、片喰  4、桐  5、柏

 6、橘  7、桔梗  8、鷹の羽  9、藤  10、菱、花菱

 日本の十大家紋にある「茗荷」「沢瀉」の代わりに「桔梗」「菱、花菱」がランクインしています。

 石川県加賀地方と言えば、「梅鉢」の印象が強いですが、藩主前田家の定紋であり、一般の人は使用を避けたのでしょうね。

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