職人気質

きもの紋入れまつもとです

 時々、職人とは何ぞや?と思う事があります。世の中では「職人は頭が固い。自分勝手。頑固者」と言う方もいらっしゃいますが。

 私は、お客様が買われた、又はお手持ちの大切な着物に紋を入れる仕事をしています。格好いい言い方をするならば「着物に家々の伝統のいぶきを吹き込む職人」とでも申しましょうか。

「職人気質」とは「自分の技術を探求し、また自信を持ち、金銭や時間的制約などのために自分の意思を曲げたり妥協することを嫌い、納得のいく仕事だけをする傾向」「利益を度外視してでも技術を尽くして仕上げる傾向」とあります。

 今の時代、最初からこれを言っては新しく職人が育つことはないですね。

人を育てる力

 私の師匠は、早くに両親を亡くし、大変辛い小僧生活から這い上がり、一代を築いた方です。仕事には大変厳しい面はありましたが、決して理不尽な古臭いことを言うことはありませんでした。

 仕事の腕を上げるために、丁寧な作業はもちろん、その上で数をこなす事は大切なことで、同じ失敗は二度と繰り返さないようにと、厳しい事を言われる反面、職人達がどうすれば快適に仕事をする事ができるのか?と身体的、精神的な負担軽減を常に考え、より良い道具、体に負担のかからない机や椅子を次々と考案された方でした。

 仕事としている以上、根性論だけではやっていけないですね。仕事に快適さを求める。その上でより良い仕事を目指し続けるのが理想です。

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