抜き紋 左三つ藤巴

きもの紋入れまつもとです


 色留袖は紋の数で格式が決まります。五つ紋を付けると、黒留袖と同格の第一礼装として、親族の結婚式、披露宴、叙勲の授賞式などに着用になれます。
 三つ紋、一つ紋なら準礼装として、親戚の結婚披露宴やパーティーなどに気軽に着用できます。

色留袖に抜き三つ紋「左三つ藤巴」

 藤紋と巴紋が合わさったような家紋ですね。とても好きな家紋です。

 藤紋は十大家紋のひとつ。藤は長寿で繁殖力強いことから「不死」の植物として、縁起が良いとされていました。
平安時代には既に衣服の文様として使われています。 

 巴は、弓を引くとき左の肘に巻き付け、腕を保護するための武具(鞆絵=ともえ)をかたどったものとされています。
 巴文様は、卍や十字などと同じく、日本だけでなく、世界各国で使われています。お隣、韓国の国旗でも使われていますね。陰陽思想が反映されたものです。
 日本では、巴の形に神秘性を見いだし、神紋として尊重されました。神社の太鼓、雅楽の鳴り物にもよく巴紋が見られますね。
 

黒田藤と左三つ藤巴

 左三つ藤巴は戦国武将、黒田官兵衛の家紋とされていますが、紋帳では別々に載っています。若干の違いがありますよ。

「黒田藤」

前の記事

職人か芸術家か

次の記事

カリフォルニアシャワー