頑固おやじのコーヒー
珈琲しかない珈琲店
そのマスター、以前は某大手コーヒーメーカーでブレンダーとしての経歴の持ち主。大阪で自分のお店を営んだ後、金沢に移転。
もちろん自家焙煎。豆を挽くミルも三種類使い分け、珈琲を入れる時も色々とこだわりを見せている。ものすごく美味しい。
ある日、私が「今日の珈琲、最高に美味しいです。」と言うと
「70点や。」との答え。
大阪で商売していた時、毎日来店する無口な男性。マスターは「どうせ、このオッサン、味も分からんと飲んどるんやろ。」位に思っていたらしいのですが、ある日、その男性がポツリと「マスター、この前たまたま入ったコーヒー屋、マスターと同じコーヒーやったで。」と。
店の名前を聞いてビックリ。なんとマスターが修行した店だったそうです。素人やと思って半分バカにした気持ちだったが、頭をガツンと殴られたような気になった。恐かったわー。
コーヒー職人が常に100点のコーヒーを入れられるとは限らない。美味しく出来すぎた時、常連さんには少し味を殺して出すのだそうです。
コーヒーを飲んだ時のお客さんの表情をその場で見ることができるというのも凄い仕事です。
私は自分の仕事に点数など付けませんが、依頼者目線も大切と感じるお話です。