男紋

丸に加賀梅鉢 

 男物の紬に、抜き三つ紋「丸に加賀梅鉢」です。男紋の抜き紋は頻繁にある仕事ではありませんが、今までのスキルを活かす事ができる、やりがいのある作業です。

紋の面積は女紋の約3.6倍

 女紋の直径は5分2厘(20mm)、男紋となると1寸(38mm)です。面積では3.6倍。面積で考えると大きさを感じますね。薬品もたくさん必要です。入念な試験抜きで使う薬品、その手順を判断します。

基本は同じ

 白生地を染めた物でも先染めの物でも、まずやる事は同じ。紋の形通り、染めてある染料を染料溶解剤を使い徹底的に無くしてしまいます。その後抜染です。

品格 

 すっきりとした染め抜き紋になりました。時が経っても紋の色が悪くなる事はありません。喜んで頂けます。

 抜き紋は仰々しい、重くなると口癖のように言われる方もいらっしゃいますが、すっきりと染め抜かれた家紋は優美で気品があると考えます。

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