家紋 中陰蔦
金沢市 きもの紋入れまつもとです
私がこの仕事に就いて数年経った頃、30年位前からでしょうか、抜き紋が難しくなってきました。
着物を染める染料の変化、又、経年や展示時の照明による退色対策。
一般的に含金染料と呼ばれるもので染色されるようになり、従来の抜き紋の方法では白く抜くことが困難になってきたのです。
白く化粧をして抜き紋に見せかけてはいましたが不自然ですし、高級呉服には不釣り合いです。
お客様のため、自分自身の技術向上のために研究し、経験を重ね、今ではほとんどの商品にきれいな抜き紋を入れることができており、お得意様から大変喜ばれています。
生地に強い負担がかかる薬品は使っていません。このノウハウは秘密ではありません。同業者の方には公開しております。
抜き紋 中陰蔦
加賀友禅付け下げに抜き紋「中陰蔦」です。
まずは試験抜きです。やはり抜けませんね。
使う薬品とその手順を決めます。長年の感です。手順を違えると抜けません。
綺麗に抜いて上絵を入れて完成です。
今日の一曲!
サラサーテ作曲「サパテアード」 ヴァイオリン 五嶋みどり